サイトを訪れてくれたこれから就職する皆さんへのメッセージ
歴史は繰り返すと言われますが、今新卒採用活動に取り組んでいるみなさんは、待遇や就職率など時代の少なからず追い風の恩恵を受けていると感じている方もいるかもしれません。40年前のバブル経済の採用状況と比較しても遜色がない状況と言われます。 人手不足や少子高齢化時代において、みなさんは、将来の貴重な戦力として企業から渇望されています。そしてDX化が進み、新たなビジネスやテクノロジーに対する親和性の高さも期待されています。 GAFAに代表されるテック企業が、20代の若者によってスタートしたことを考えても、若さは新しい時代を切り開く力であり、その価値は変化の大きい時代においてさらに高まっていると言えるでしょう。
その一方、いいかどうかは別として、今までのどの世代よりも選択肢は多様化しています。情報過多の時代、AIの進化によって確実性が失われます。また衰退が予測されるネガティブな未来に夢や希望を描きづらい人もいるかもしれません。反抗は若者の特権とも言われますが、安定的な時代は反抗すべきものがあり、新しいものが生まれてきました。 確固たるものがなくなりつつある今、広大な地平線が自由にやれと言っています。すべてはあなたの自由です。 しかし、人にもよりますが、保守的な人が増えているようです。意味もなく誰も見えない暗闇に飛び込みたい人はいないのでこれは当然です。現状の安定を選択するのが賢明です。安定路線は、初任給も高くなり、働きやすい環境も皆さんのために整ってきています。国も労働者の保護を進め、安心して働ける環境も整備されています。皆さんの希望も通りやすくなってきています。
現時点ではみなさんの働く環境や条件は戦後高水準ですが、新卒3年以内離職率は、3割を維持し、従来と変化はありません。またホワイトすぎる環境が嫌で厳しい環境を求め離職する人もいます。 これは、一定数ある発生するミスマッチのため仕方がないという分析もありますが、本質はもっと深いところにあると私たちは考えています。 早期に退職する理由は表面的なデータに現れるものだけではありません。例えば直感もその一つです。不安定な社会が加速すると認識すれば、今の好条件や安定の選択は最適なオプションではある一方、不確実性が高いと捉えることもできます。本来、不安定な時代に安定を得るためには、力がなくてはなりません。新卒採用はポテンシャルの相対評価です。本質は、これから未来にどのような力をつけていくかです。安定を求めるならば早いうちに失敗をして、いろんなことを試す必要があります。それは間違いなく未来の糧となります。先人たちは言いました。「若いうちに苦労をしなさい」。
時間の価値、特に若い時の時間の価値は何者にも変えられません。それをひとときの快適、安定の幻想で失うリスクもまた考えられます。若さはそれだけで採用においてアドバンテージです。しかしそれはいずれ失われます。 不安にさせるつもりもなく、問題ないかもしれません。人生は予測不可能で、塞翁が馬です。 しかし、敏感な人は感じます。違和感を。いい状況はいつまで続くのか。永遠かもしれないし、すぐに無くなるかもしれない。 確実に言えるのは、環境が不確実で、確固たる将来のレールや価値観が存在しない今、考えないということは大きなリスクとなっているということです。 しがみつくものがない今、軸がなければ容易に分解してしまうでしょう。
ではどうすればいいのでしょうか。私たちの経験から言えば、まず自分を知り、世界に対する解像度を高めて、今どこにいるのかを理解することです。自分の位置が分からなければ、誤った方向に進むでしょう。 次に、どうしたいのかをクリアにすることです。自分の人生をどうしたいのか。やりたいことがあればそれがいいのですが、見つからないことが多いでしょう。それが普通です。色々やってみないとわからないからです。やりたい仕事を見つけ、それにつくことができればラッキーです。しかし自分の人生をどうしたいのかは決めることができます。どう生きたいかでもいいでしょう。それでも難しければどうしたくないかでも大丈夫です。 そしてみんなと一緒にそれができる方法を考えましょう。何か能力が必要であれば、身につけ磨き、一緒にできる場所を探しましょう。フリーランスになろうとも一人でできることは限られています。 一緒にやることで、どこにいるかがわかり、どうしたいかも見えてくるからです。その時、どこにいるのかとどうしたいのかの認識が近いところにいきましょう。 それが異なっていると不幸になります。船の行き先は同じ方がいいのです。違う船なら乗り換えれば大丈夫です。
これ以外にもやり方は無数にあります。しかし確実に言えることは、不確実な外部環境は当然私たちの人生も不確実にします。また内部環境である私たち個人の事情も全てが順調ということもありません。風が吹き、雲が現れ、雨が降り、しかし晴れもある。雷雨に見舞われることも台風に見舞われることもある。そこに貧富や地位に関係ありません。確実なことはその予測できないことや困難の後に人生を良くも悪くもする分岐点があるということです。その時のあなたの考え方と心持ちが全てです。人間としての幅。それこそが模倣困難性となりあなたの価値を高めてくれるでしょう。すべての生きとし生けるものは、予期できない圧力によって強くなることが明らかとなっています。人間も同様です。しかし対抗できるエネルギーがないと死んでしまいます。若い時に苦労をすべき理由はここにもあります。
皆さんは、この不確実な世界をどう捉えますか。不幸と見るか幸いと見るかもまた自由です。 一つ言えるのは、闇が深まる世界で自らの羅針盤がこれまで以上に重要になります。 風雲は変われど、本質は変化しません。私たちと一緒に本質を探しに行きませんか。